アナリティクス

2025年4月2日水曜日

赤チン

子供の頃、自転車で転んで肘をすりむいたりして血が出ると、赤チン(マーキュロクロム液)を塗った。赤チンを塗ってもほとんどの場合化膿してしまったが、それでも放って置けばやがて傷は治るのだった。赤チンの殺菌力はほどほどであったが、においがなく刺激性もないことから、60年代頃までは、家庭の常備薬として広く普及していた。

『1971年に山之内製薬(当時)から消毒薬「マキロン」が発売されました。無色で、赤くなることもありません。赤チンにとっては脅威でした。「水俣病」の公害認定も追い打ちをかけました。マーキュロクロム液は、製造の過程で少量ですが水銀が発生します。廃液の処理に多額のお金がかかるようになったため、多くの原料メーカーが製造を中止していきました。三栄製薬では、「愛着のある商品だから」と製造を続けてきましたが、水銀を使った製品の製造を規制する「水俣条約」により、2020年12月31日をもって販売が規制されることも決定。ついに製造を終了することになりました。』