アナリティクス

2009年9月27日日曜日

詩人の精神

詩人の精神というものは、
創作の用意がすっかりととのっている場合には、
いつでも別々の離れた経験を合わせて一つにするが、
ふつうの人間の経験は
ごたごたでしまりがなくてばらばらである。
ふつうの人が恋をしたりスピノザを読んだりする場合、
この二つの経験はたがいに何のかかわりもないし、
またタイプライターの音や料理のにおいとも関係がない。
だが詩人の精神の中ではこういう経験が
いつも新しい全体を形成しているのだ。

(T.S.エリオット 形而上詩人)