アナリティクス

2018年4月8日日曜日

通勤電車の改善について

「汽車の見える所を現実世界と云う。汽車ほど二十世紀の文明を代表するものはあるまい。何百と云う人間を同じ箱へ詰めて轟ごうと通る。情なさけ容赦ようしゃはない。詰め込まれた人間は皆同程度の速力で、同一の停車場へとまってそうして、同様に蒸気の恩沢おんたくに浴さねばならぬ。人は汽車へ乗ると云う。余は積み込まれると云う。人は汽車で行くと云う。余は運搬されると云う。汽車ほど個性を軽蔑けいべつしたものはない。」
(夏目漱石『草枕』より)

『草枕』の初出は1906(明治39)。
112年前も今も何も変わっていない。
通勤電車の改善はなぜ進まないのだろう?