『アガルタ』が録音されたのは、
『ビッチェズ・ブリュー』の5年ほど後、1975年である。
以降、マイルス・デイヴィスは体調不良で、
5年ほど活動を休止する。
『アガルタ』がライブ録音されたときも、
健康状態は決して良くはなかったのだろう。
彼のトランペットの音は精彩を欠いている。
しかし、彼が構成したシステム、
つまり彼のバンドがドライブする
エレクトリック・サウンドは強力である。
アフリカを感じさせるパーカッションが、
神秘的な色彩を加えているのも見逃せない。
パーカッションの使い方が実にうまいのだ。