ゆっくりと風呂に入る。
風呂を出る頃には外が暗くなっていて、
「だいぶ陽が短くなってきたな」
などと言いながら身体をふく。
冷蔵庫からよく冷えたビールを取り出し、
暗い部屋の開け放った窓に近づくと、
たっぷりとした涼しい夜風が、
身体の外側を冷やしていくのである。
ビールをコップにそそいで、
白い泡ごとゴクリと飲み込むと、
風呂で熱くなった身体を、
身体の内側から冷やしていくのである。
風が外の木の葉をサワサワ鳴らすと、
少しの間をおいて、
新たな涼しい風が部屋の中に吹き込んでくる。
爽やかな夜風を満喫する夏の終わりである。