アナリティクス

2011年11月4日金曜日

ポイ

金魚すくいで使う、
枠に紙を張った道具のことを「ポイ」というそうだ。

高2の娘が、文化祭で金魚すくいを催す。
ケータイに撮影された
教室の飾り付けもなかなかかわいらしい。
これはぜひ見に行きたいと思ったが
娘は『絶対に来ないで』と言う。
そう言われるとますます行ってみたくなるのが人情である。

もう10年ほど前になるが、
焼き鳥屋でひとりで酒を飲んでいるときに、
隣に座っている男が話しかけてきた。
『わたしは金魚をたくさん飼っているんですよ。
卵を産ませて稚魚を育てるんです』
何か不自然なものを感じさせる男だった。
刑事だったような気がする。

室生犀星の「蜜のあわれ」は、
老人と金魚の艶っぽい話である。
読むとめまいがする。

実は自分で金魚を買ったことがない。
家のものがペット屋で買ってきたり、
金魚すくいですくってきた金魚の
世話係を引き受けているのである。

と言っているうちに、昨日、高2の娘が
文化祭の出し物の金魚すくいで売れ残った金魚を、
また8匹も持って帰ってきた。
裏庭の金魚鉢が賑やかになった。
過去の教訓を生かして、エサはあまりやらない。
金魚は食べ過ぎると死んでしまうからだ。