過剰な品質を「落とす」というアプローチは、答えが見つからない。最大の原因が、設計経緯のブラックボックス化である。品質を適切な水準に下げる方向に設計変更しようとしても、機能や性能にどんな悪影響が出るか、もはや分からない。家電製品など自動車以外の業界でも、品質を落として価格を安くしたという事例はほとんど見つけられない。最低限の品質の製品を基準に、その品質を上げていくアプローチの方が、過剰品質を是正しやすい。