『健康で若々しい血管は、弾力があり、ゴムのようにしなやかです。しかし、肌や内臓と同じように、血管も老化し、硬くもろい状態に変わっていきます。人によって程度は違いますが、年齢を重ねるに従って動脈硬化は進行します。
加齢以外にも、血液中で増えすぎた悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が原因で動脈硬化が進行してしまうケースの増加が、現代の日本では問題になっています。悪玉コレステロールは、血管の壁に入り込むという、やっかいな性質を持っています。コレステロールが蓄積すると血管の壁がどんどん分厚くなり、弾力性を失います。放っておくと、コブ(プラーク)ができるなどして、血管の内側が狭くなり、どんどん血液が流れにくくなってきます。
実は、動脈が硬くなるだけなら、大きな問題はありません。しかし、コレステロールでできたプラークが何かの刺激で破れると、傷を修復するため、血小板でかさぶたが作られます。これが血栓と呼ばれるもので、血流が完全に妨げられると、その先の組織に酸素や栄養が行き届かなくなります。』